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003キセノンライト
ディスチャージヘッドランプ(Discharge headlight、放電式ヘッドライト)は、従来の白熱電球(ハロゲンなど)に替わって、メタルハライドランプなどのHIDランプを使った自動車や鉄道車両の前照灯である。
メーカーによって、HIDライト、キセノンヘッドランプなど、呼び方はさまざまである。
キセノンガスを封入した所に、放電現象を発生させることで 光源の役割を果たすライト。
別名HIDなどとも呼ばれており、太陽光に最も近い色の光りを発する。
原理 [編集] 自動車用ディスチャージヘッドランプの電球(バーナー)従来型ランプは家庭用の白熱電球と同様のバルブ内のフィラメントへの通電による電熱で発光するのに対し、ディスチャージヘッドランプはキセノンガス、水銀、ヨウ化金属などを封入したバルブ内の電極間の放電で発光する。
仕組みとしては、そのほかのガスを使うネオン管や家庭用の蛍光灯と同様で、メタルハライドランプの一種である。このため、従来型ランプでは白熱灯、ディスチャージランプでは蛍光灯に近い特徴を持つ。点灯時にキセノンによる放電、発熱を利用することで瞬間点灯を実現している。 点灯直後はヨウ化金属が固形で発光せず始動用のキセノン、アルゴン、水銀のみの発光となるため青白い光となり、時間の経過と共に白色に変化する。
通常のメタルハライドランプのヨウ化金属(スカンジウム、インジウム、ナトリウムなどのヨウ化物)を使っただけでは始動時~安定時に道路運送車両法で定められた白色の範囲を外れてしまうため、成分編組を工夫してある。
HIDバルブを用いた前照灯は、白熱バルブに比べて明るい上に、消費電力が低いため発熱も少ない。フィラメントを使わないことで、消耗と突入電流や振動による断線の心配もなく、長寿命である。なおバルブが寿命に近づくと照射光が赤っぽくなったり、暗くなったりする。 放電灯の特性上、バラストと呼ばれる安定器が必要なほか、点灯直後は色温度が高く暗いため、安定した光色や光束になるまで、数秒から数十秒を要する。 光束が従来型バルブに比べて大きいので、車両の姿勢によっては対向車への眩惑も大きくなるため、光軸調節の機能が付いていることが多い(自動もしくは手動)。ヨーロッパに於いてはディスチャージ認可にあたって自動光軸補正機能が要件とされた。
沿革 [編集]耐久レースでの試用に始まり、初期は趣味性の高いスポーツタイプの車や、大型トラックの一部に用いられるのみであった。その後、量産効果によるコストダウンに伴い、近年では実用車にも広く普及し、夜間の視認性、安全性の向上に寄与している。
色温度 [編集]HIDバルブの色温度はメーカー純正のもので概ね4000-4500K(白色)であるが、市販のバルブ(バーナーとも呼ぶ)では、3000K(電球色)、5000K(昼白色)、6000K(昼光色)、8000K、20000K(水色)といった様々な光色がある。
色温度が高いほど青白い光となり自動車の外観的イメージを変えられるが、色温度が高いほどライトの明るさが減少しかつ人間の目の感度も落ちるので、視認性向上の目的では色温度が高いほうが良いとは言えない。そのため、純正ヘッドランプでは最も運転中の視認性が高いとされる4000-4500K程度に設定されることが多い。
また、蛍光灯程度の白色をしたライトならば路面の白線が見やすく晴天時には視認性が高まるが、雨天時や悪天候時では色温度が高く青白い光を発するライトは路面の白線等が視認しづらいことがある。 車検対応は一般的には6000Kまでとされているが、製品の差や検査官の判断で、場合によって通らないことがある。
アフターマーケット [編集]従来型バルブとの交換による、いわゆる後付けHIDバルブは、多くの用品メーカーが市販しているが、バラストの取り付けや配線の加工には、車両構造に関してある程度の技能と知識が必要とされる。また、色温度の高いもので車検を通らない競技車仕様もある(車検対応は一般的に約6000Kまで)。
かつては雨や霧や雪等の悪天候の中での視認性に優れるイエローバルブが市販されていたが、2007年(平成19年)1月以降生産された新車は、ヘッドランプがイエローバルブでは車検不適合になる(フォグランプ等の補助灯については、年式によらずイエローバルブの装着が可能)。 遠近切り替え [編集]ハイビームとロービームが別になっている4灯式では、HIDバルブの点灯が安定するまでに時間を要する点から、ハイビームはハロゲンなどの白熱電球で、ロービームのみに用いているのがほとんどである。
2灯式ではソレノイドにより機械的に可動する反射板でロービームとハイビームの配光を切り替えるようになっているのが一般的である。
バイキセノンと呼ばれる物は、ロー/ハイの切り替えを一つのランプユニットで実現したものである。
これはプロジェクターヘッドランプの構造を生かして遮光板を動かすもの、リフレクターヘッドランプではバルブの位置を動かすものとバルブの近傍にある遮光板を動かして照射範囲を可変させる。
バルブ、あるいは遮光板は電磁ソレノイドなどで動かされる。
水銀フリーHIDバルブ [編集]一般的なHIDバルブには水銀が封入されているため、現状では、仕向け地によっては使用されていない。すでにハリソン東芝ライティングから、次世代用水銀フリーHIDバルブの技術発表もされており、今後は水銀不使用に移行する。
その他 [編集]白熱タイプに比べて発熱量が少なく、熱で変形・劣化しうる樹脂レンズの使用も容易になる。一方、レンズに付着した雪を熱で融かす効果はあまり期待できない。そのため積雪地では、ハロゲンなどの従来型の白熱タイプの方が、降雪時の視界確保には有利だとする意見もある。 UVカット対応品でないと樹脂レンズや樹脂リフレクターが劣化する可能性もある。
本来直近を照らすフォグランプにHIDを導入すると高い車高の車種やフォグの位置が低い場合などは、光を散乱させたり遠くまで光が届くため、対向車などへの迷惑となりかねないので設置の際は注意が必要である。
ヘッドランプをハロゲンバルブなどからHIDに交換(改造)した場合、発光点が変わるため、光軸調整を行う必要がある。これらのバルブに限らず、ランプ類の交換、または変更の際、最大の効果を得、かつ他車への配慮のため、光軸調整は必須である。
国際連合の欧州経済委員会 (UNECE) による自動車基準調和世界フォーラム(World Forum for Harmonization of Vehicle Regulations:欧州諸国を中心に、日本、オーストラリアなども加盟)では、ロービームで2000ルーメン以上の光束を持つ光源を使用するヘッドランプに対して洗浄装置を装備することを規定している。ECE R99で規定されているD1、D2、D3、D4タイプを使用するディスチャージヘッドランプは、これに該当する。

 

 
 
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